彼の優しさ 番外編
「今日は本当なら藍の作った飯を食って、それからいちゃいちゃしようと思っていたのに、この事件だ。」凄く拗ねてるね。これは。
「…でもいちゃいちゃも少ししか出来ないよ?」
「何で。」目が、据わってる。
「……後6日待ってクダサイ。」祐が目をパチクリしてから
「………あぁ。分かった。」しょんぼりした祐。理解してくれたらしい。
ケージから出していたアズサが祐とわたしが座っているソファーに登ると肘掛けから背凭れに移動して家具の上にジャンプしようと体勢を整えている。
「アズサ、ダメだよ。他所様のうちなんだからやんちゃしないの。」…注意しても聞かない。
「祐、この手を離して?このままじゃあアズサがジャンプするよ?」祐は手を離して片手でひょいっとアズサをアズサを抱っこしてわたしの膝の上に下ろした。
わたしはアズサか一番喜ぶ喉の所を撫でるとアズサはゴロゴロ…と上機嫌になって家具の上に登ろうとしたのを忘れたみたい。
…ひと息つける。
気を抜けたからなのか、眠くなってあくびをしてしまった。
「……眠いか?なら、アズサをケージに戻して寝るか?」
「そうする。」アズサを撫でるのを止めてケージに戻すと不満そうな顔をしている。
「そんな顔をしないで、もう寝よ?…お休み、アズサ」そう言ってから部屋にあるダブルサイズ位有りそうなベッドに向かうと祐が腕枕をしてくれるみたいでその言葉に甘えると空いている片方の腕がわたしを包み込む様にした。
「お休み、藍」
「お休み~」と言った。