彼の優しさ 番外編


ー家に入って30分後ー

「ほんとに懐かしいなぁ…」父さん、藍をじろじろ見るなよ。

「本当に…藍ちゃん、確か大学に通っているのよね?どういうところなの?」

「料理を専門的に習える所です。卒業後は料亭の板前になったOBの方や自分の店を持つことができたOGの方などがいらっしゃって、自分の望む進路の確実なルートだと思ったからそこにしました。」

「ねぇ藍ちゃん。たしかお兄ちゃんが23位の時にバレンタイン作った?」また。こいつ何を言い出すんだ?

「あ、はい………。」藍引いてる。…妹。なぜ分からない。

「麻美、もう少し落ち着け。藍が引いてるぞ。」一応、注意しておく。

「えーだってその年からバレンタイン、一個しか受け取らなくなったから…」ぐ。

「……祐?」藍から黒い気配が………

「藍ちゃん大丈夫だよ。お兄ちゃん、バレンタインのチョコは全部私が引き取って食べたから。…だから凄く記憶に残ったの。今思えば藍ちゃんが上げた本命チョコだったからなんだね?」麻美のやつ~。

「その次の年からは藍からしか貰ってないからな?」

…そもそもあんなに旨いチョコ貰って他のなんかただ甘いだけしか感じない。

「祐?……後で話そうね?」…黒い笑顔が怖い………。

「…分かった。」

「…麻美、いい加減にしなさい。祐がどんな思いをしているか考えいるか?」

「…何が?」

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