彼の優しさ 番外編

祐の車に近づいて窓を軽くノックをした。(祐の癖で内側から鍵をかけることを知っていたから。)

祐が鍵を開けてから中に車の助手席に座ってから、シートベルトを締めて
「仕事お疲れ様。」ビニールの中にあるペットボトルを祐に渡して祐は一気に1/3位飲んでから

「ありがとう。藍もお疲れ。」そう言ってから祐は車の運転し始めた。

運転する祐をポーッと見ていた。

………いつもと違うちょっと高めのスーツ。ネクタイも締めてよく見たらタイピンとカフスボタン…前の祐の誕生日に送った物。

うん。似合ってる。

「………うん?どうした藍。」ジーッと見つめられているのに気付いたのか祐に聞かれて

「タイピンとカフスボタン。付けてくれたんだ。ありがとう。」

「ん?あぁ気合い入れるぞって時にね。」

………気合い?首を傾げたのが分かったのか赤信号で待ってる時に頭をぽんぽんされた。

……う~誤魔化された。

レストランがあるホテルに着くと駐車場に車を停めてエンジンを切ったのを見てからシートベルトを外して外に出ると祐はトランクから黒いスーツケースと可愛い花柄のボストンバッグ……ま、まさか?

「何ぼーっっとしてるんだ?行くぞ。」スーツケースの伸びる持ち手の部分にボストンバッグの持ち手を通して2~3歩先に進んだ祐に言われたけど……

「まさかだけど………泊まり?」コクンと頷かれたけど

「聞いてない‼」って言ったのは悪くないと思う。
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