彼の優しさ 番外編
頭が真っ白になった。
けっこん………結婚!?
パカリ、と指輪の箱を祐が開けるとキレイな青い宝石が填まった指輪があった。
「する。……結婚、する!」ふわふわとした頭の中では殆んど自分が何を言ってるのか(食事中にワイン飲んだけどそれだけじゃなくて)分からなかった。
次に気付いた時は祐に思いっきり抱き着いていた。
指輪を持ってない方の手で頭をポンポンされた。
「泣くなよ」笑いながら言われるけど勝手に出てくるんだよ?
「指輪、嵌めて良いか?」
こくこくと頷いた。……まだ、涙が止まらないから。
左手を出すと
ケースから祐が指輪をとって
「店の人に聞いたんだけど、これはパライバトルマリンって言うらしい。トルマリンは藍の誕生石だし、この石を見た時、藍の指に嵌まっているのをハッキリと思い浮かんだんだ。……正に他のじゃあ、あり得ない、これしかないって。」そう、言いながら私の左手薬指に指輪を嵌めると、
「やっぱりこれだな。………どうだ?藍。緩かったり、逆にキツすぎたりしない?」
「大丈夫。ありがとう。祐。凄く嬉しい……」う~涙止まったと思ったのにまた溢れだしてくる。
祐の胸に自分の頭を預けて祐に抱きつくと祐の手が背中と頭に回ってきた。頭を撫でられてると……?
「アズサとカイト!!今、家に誰も居ないけど…」預けていた頭を上げて祐を見ると
「大丈夫。ペットホテルだよ。明日、迎えに行こうな。」