彼の優しさ 番外編

店頭に8歳位の男の子が来て、

「お団子ください!」と机からぴょこんと頭を出して200円分の金券を机に置いた。

「何本かな?」

「パパとママとオレとみずき!」4本か。

「4本ですね。何味にする?」

「パパはよもぎで、ママはこし餡、みずきはみたらしが一番好きだし、オレは…みたらしでいいや。」

お団子とお釣りを男の子に渡すと男の子は振り替えって

「ママ~………あれ?」?

「どうしたの?」聞いてみると

「ママたちが居ない…」周りをキョロキョロ見てる。

「結城さん。」話を聞いていたのか部長が来て

「結城さん、そろそろ交代の時間だし上がるついでに本部の人に放送をかけるように言って貰えるかな?」

「分かりました。」

「ねぇ、君。係りの人にお母さんたちを呼んで貰う?」

「…迷子じゃないもん。」

「お母さんたち、きっと君を探していると思うよ?」

「……わかった。」しぶしぶって感じだけど頷いてくれた。

エプロンを外してスマホや金券が入った手提げを持つと男の子の方に手を出して

「行こっか。」と言うと男の子は手を繋いでくれた。

ー本部前ー

「迷子?」生徒会の顧問の先生が言うと

「はい。なので親御さんを放送を使って呼び出して欲しいのですが…」

「分かりました。…ボク、名前は?」

「たちきあさひ」顧問の先生が聞くと放送を流してくれた。

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