彼の優しさ 番外編

食べ終わると、次はどこに行こうかとクラスや委員会、部活動の出し物が書いてあるパンフレットを出してから、PTAの人たちが開いているフリーマーケットと手芸部が開いている小物が気になって行ってみることにした。

ーフリーマーケットー

冷やかしながら品物を見ていると

「結城?」声がした方に振り向くと西原先生が居た。

「先生、また会いましたね。巡回ですか?」

「まぁな。結城、暇なら後で茶道部の所に行ってみたらどうだ?…結構、茶が旨かったぞ。」へぇ~

「分かりました。ありがとうございます。」と言うと先生はまだ巡回があるのかすたすたと歩いて行った。

ー手芸部ー

手芸部の作品は編みぐるみ、UVレジン細工の二種類みたい。

編みぐるみでアズサに似た猫があってついお買い上げしてしまったのとUVレジン細工で綺麗な濃紺から青に移り変わる夜空のようなストラップと猫が夕陽に染まる道を歩いている物を見つけてこれもつい買ってしまった。

ーー

茶道部の催しものの所に行ってみたらかなり本格的に作られた空間があった。竹で作ったベンチに赤い敷物を掛けて、座る場所には和傘。よく見ると偽物の紅葉の木とかあったり。

空いてある席に座ると部員さんがお茶を点ててくれた。

しかもびっくりすることがあって、お茶菓子があの有名な和三盆の砂糖菓子で包みを開けると白と赤の砂糖菓子が半球の形で1つずつ入っていた。

人生で初めて食べる和三盆だったけど甘さが上品で後を引かない甘さで感動物だった。……でも抹茶はお茶会社に頼んでいるのと比べてしまって残念な気持ちになった。
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