彼の優しさ 番外編
お茶会社の方がおいしい…
やっぱり企業と部活動の違いかな……?
そんな事を思いつつ、茶道部の催しものから出ると、随分と珍しい人に会った。
「雪子おばあ様…お久しぶりです。」…雪奏姉さんの祖母にあたる人。ピシッと藤色の訪問者を見に着けている。
「お久しぶりねぇ…前は確か、藍ちゃんが14歳になった年だったかしら?」
「はい。長い間、お伺い出来ませんでした事、大変申し訳ありませんでした。」頭を下げると
「良いのよ。藍ちゃんの事は冬哉に鈴美、雪奏に聞いたのよ?藍ちゃん、随分と大変な思いをしたのね。」大おばあ様の言葉で救われた気がした。
「ありがとうございます。おばあ様。」涙が堪えきれなくなって視線を真下に下ろしてしまった。
「まぁ、大変。藍ちゃん、ゆっくりできる場所に行きましょうか?」
座れる所に歩いて(人が居なそうな所だと若干歩かなくては場所がない。)居るとまた西原先生に会った。
「結城、また会ったな。…あっすみません。私、この学校で物理教科を担当している西原と言います。」…後半はおばあ様に向けてだろう。
「時宮 雪子と申します。孫がいつもお世話になっております。」と挨拶をすると西原先生は若干、目を見開いてから
「いえ、結城さんは細かな所も直ぐに気が付いて報告してくれたりと我々教職員は大変助かっています。」先生はわたしの目が潤んでいるのを分かったのか、
「立ち話をも何ですし落ち着いて話せる所に」と言って歩き出した。