彼の優しさ 番外編
「この部屋は文化祭の時は使用していないので別の方が来ることはありませんのでゆっくり休めると思います。…結城、店番とかは大丈夫か?」
「はい。今日は午前中のシフトなのでもう終わっています。」
「そうか。一般公開の終わりまで後……一時間か。申し訳ありませんが時宮さん一時間後にお迎えに上がりますのでお時間は大丈夫でしょうか?」
「えぇ。構いませんわ。後、孫とひ孫たちが遊びにこちらに来ているので孫たちにはここに居ることを伝えても構いませんか?」
「はい。大丈夫です。」では失礼します。と言ってから先生は部屋を出ていった。
「あの子…」?
「どうかなさいましたか?」
「藍ちゃんが気付いていないのなら、私の思い違いでしょう。雪奏たちに連絡を入れなくては」とおばあ様はスマホを出した。
―どうやらメールを出そうとしているみたい。
「これで終わりね。」そう言ってからスマホをしまうと
「ねぇ、藍ちゃん。文化祭が終わったら私の所に泊まりに来ない?私、もっと藍ちゃんとお話ししたいわ。」…え?
「泊まりにって本邸に…でしょうか?」
「えぇ。もちろん。あの子たちは自分本意過ぎるわ」…あの子たち………多分両親の事だろう。
おばあ様のお誘いは……断れないけど…。そんな私を見通したかの様に
「大丈夫よ。あの子たちには私から言うわ。」そこまで言われたら…ムリだよね。
「えと、ではお願いいたします」そう言って一般公開を終えてから合流した雪奏姉さんたちとおばあ様は一足先に本邸に本邸に向かった。
夕飯の準備から解放されてすごく楽になった。