誠の誓い
その夜は、一睡も出来なかった



(私が死んだら
総兄ちゃんは、怒るかな
労咳の総兄ちゃんに看取らせるワケには
いかないよね)




森本以外の医者に頼る気はなかった


紹介状も捨ててしまった


山崎には言い出せない



死を覚悟して、これからのことを考えるには、一晩では足りなかった









どうしていいかわからず

非番の度に、屯所を出て

人目のつかない所で、1日をやり過ごし

死について、考えた






1番に想うことは

沖田を悲しませたくないということ

労咳が治ると信じているから

気を落として欲しくなかった












寒くなってきたので、非番の日

1日外にいるのが辛かった





両親を亡くして


道場に転がり込むまでは

平気だった









(縁がいなきゃ…さみしいよ)










ポロポロとひとり、泣いた











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