誠の誓い
つかの間の再会を果たして


御陵衛士の宿舎に戻ると


早速、伊東に呼ばれた




伊東の部屋で2人きり




「困るわね」


「偶然、相席になったんだ
仕方ねぇだろ」


「斎藤君もよ」


「その件は、文句言っといた」


「とりあえず… 謹慎して貰うわね」


「はい」






蔵に入れられた


新選組での謹慎より

不安がない分、色々考えたり

余裕があった


(あの時は、女だとバレるのが怖かった
…なんで、死ぬことばっかり考えたのかな
生きることが私の全てだったのに








……あと、どれくらいなんだろう)






懐から、花びら入りの巾着袋を出した



(願い事、何にしよう)



恋……永倉と連想して

余命を想い、別の願い事を考える


『平助のこと… よろしくな!』


ふと、永倉から頼まれたことを思う



(総兄ちゃんの病は、必ず治る!
決めた!
平兄ちゃんを新選組に返そう!
伊東さんも言ってた
乗り気じゃなかったって…
永倉さん、私、誓います!
平兄ちゃんを新選組に返します!!
桜さん!!この誓いが
どうか、上手くいきますように!!)





「副長と永倉さん…
ふたりで甘味屋って…
似合わねぇな……ぷぷっ」





思い出して、独り言を言って笑った


















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