誠の誓い
楽しげな原田の声や永倉の声にも

視線をやらず



ボケッと酒を煽った





「複雑だよな……」



隣に座っている藤堂の言葉に


「うん… はしゃげないよな」


藤堂の向こうにいる斎藤をジトッと見て



「蕎麦いかね?」




誘ってみると


意外にも、少し酔っている斎藤が


にっこり笑う







藤堂の肩にしがみつく


「平兄ちゃん……なんか、怖い」


「縁……俺も」


2人が警戒した瞬間



斎藤が2人に抱きついてきた



「「ぎゃあーーー離れろ!!!」」


「へへへへへへへっ」


「怖っ!!酔ってる!!
助けて!!平兄ちゃん!!」


「初めて見た!!こぇぇ~縁!!
俺も抜けれない!」



気まずさのあまり、かなり無理して飲み

酔ったのだ



ジタバタするが

なぜか、抜け出せない2人を見て


原田が大笑いしだす



「あはははははっ!!!
なんだあれ!!楽しそうだなぁ!!!」




その声に、ついつい視線をやってしまい


永倉と目が合ってしまう




(くっそぉー斎藤さんの馬鹿力!)



「はなせぇー!!」


「斎藤!!離れろ!!」



ようやく解放されたのは


斎藤が寝てからだった



すっかり酔いも冷め、呼吸を整える



「なに?この力……怖っ」



「死ぬかと思った……
縁… 助けてやれなくてごめんな…」



「疲れた」


「俺も」







「「帰ろう」」




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