誠の誓い
「んん……お兄ちゃん」



寝言を言って、永倉の手を握る



「あら、安心したみたい
永倉君!今夜、泊まりなさいよ!
新選組へ遣いを出して、報せるわ!」



「えっ……さすがに悪いだろ」



「ほらほら、横に寝てあげて!
じゃあ!遣いを出してくるから!」



永倉が横になり、縁の頭を撫でると


「縁…… お兄ちゃん

ひとりやだ… さみしいよ……」


寝言を言い、抱きついてきた



(だったら、なんで…
総司と離れたんだよ…
あの日、帰ってこれたのに
なんで…? 伊東さんを選んだ?
仕事だとしても、あの時……
お前… 泣いてただろ?)





永倉は、気づいていた



部屋を出る縁が、泣いていたことを…






縁と一緒に、うたた寝してしまい

永倉が目覚めると伊東が微笑む



「不思議ね
貴方達、どうして恋仲にならないのかしら
まぁ この子馬鹿だから」



愛おしく、縁を見る伊東に質問した



「仲良いんだってな?」


「悪くは、ないわね」


「知らなかった」


「そう?コソコソしてたわけじゃないの
普通に、話をしてたわ
ほら、裏の縁側よ!あそこに行くと
必ずこの子に会えたのよ
ここに来てからは、庭石でね!
ふふっ今は、ずっと一緒だわ!
あら!誤解しないでね!友達だから!」


「伊東さん…縁のこと

     ……裏切らないでくれよな」



「ええ 大事な友人だもの!!!」



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