誠の誓い
それは、千代里となり

揚屋に潜入していた時のこと

廊下でばったり




「永倉はん?」


「おう!調子どうだ?」


「へえ、変わりおへん」


「そうか!
帰ったら、いよいよ祝言だな!」


「そうどすなぁ」


「普通に喋れよ」


「あ 本当ですね
今日は、どうしたんですか?」


「女に会いにきたんだ
ようやく、馴染みが出来てな」




(……笑わなきゃ)



「どうした?」


「え……あ……おめでとうございます」


「おう」



ペコリとお辞儀して、永倉から逃げた





こんなんじゃ…


詩乃にバカにされる…












いよいよ


潜入が終わり、屯所に戻る日









監察方の借りている家で、男装に戻った


(詩乃に簪の1つでも、買ってやるか…)


「はぁ~ はははっ」


元々、女らしくなかったが

とことん、男らしい自分に笑った



家を出て、店で詩乃に似合いそうな


簪と櫛、それと紅を買った




詩乃が屯所に、住み込みになってから


そういったものを新調していないことを


思い出したからだ







< 51 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop