誠の誓い
詩乃が喜ぶ顔を浮かべ


屯所へ向かう





屯所まであと少しというところで


足を止めた






「縁…」





浅葱色の羽織を来た

藤堂が、門の前で


腕に抱えていたのは


詩乃の亡骸だった




その姿が、芹沢に抱えられた縁を

思い出させた





「縁…ごめ「詩乃!!!」」


藤堂から、詩乃を受け取り

必死に呼びかける



「し…のぉ……」












屯所で葬儀が行われた

詩乃の手に、あげるはずだった物を

持たせた







(あの世とやらがあるのなら…
本物の縁に会ってくれ…
きっと、好きになるから…)




「縁…しばらく休め」


「……お気づかいなく
大丈夫です!……多分
無理そうなら、言います!」


「わかった」



土方が、肩に手をポンポンと置き

去って行く






詩乃は、藤堂を庇って亡くなった

そう聞いたとき


やっぱり、縁を思い出した






(お兄ちゃん…詩乃をよろしくな)






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