彼氏の好きなヒトになる方法
頭の中で、後悔が渦巻いた。
私が黙っているからだろう、 私たちの間に気まずい沈黙が落ちた。基本的に私たちの会話は、私から始まるから。
途中でこれじゃダメだと気づいて、慌てて別の話題を出した。
そんなに気の利いた話題じゃなかったと思う。今日の学校のこととか、なんかすごいどうでもいい話だった。
我ながら誤魔化すのが下手すぎて、自分のコミュ力の無さを呪った。
俊くんのバイト先に着いても、ロクな感想を言えなかった。
ちょっとこじんまりしてて、落ち着いた外観のカフェだった。
「今度ぜったい来るね」とか、ありきたりな感想しか出てこなくて、本当に申し訳なかった。
俊くんはお別れする直前まで、微妙な顔をしていた。自分の言葉で、私の様子がおかしくなったのに気づいていたのだろう。本当に申し訳ない。