彼氏の好きなヒトになる方法



「……それは………」


「あー、それもサトシが言ってたよ。うちの学校で彼女作ると色々めんどくせえから、他校で作ることにしたんだろ。手っ取り早い女避け」




ーーカツン。



手の力がフッと抜けて、手元から携帯が落ちた。


小さく響いたその音に、お友達の何人かが振り返る。


その瞬間、俊くんの顔が見えた。


驚いた表情をする彼と、目があった。




「……佳菜」




彼の声は、思わず出た呟きみたいに、小さかった。


でも、私の耳にはしっかりと届いた。



「……え、もしかして、彼女?」

「えっ、マジ!?」



ギャルじゃん、とか、イメージしてたのと違う、とか、失礼な声が色々聞こえてきたけど、今はそれどころじゃない。




俊くんの目が、揺れていた。






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