彼氏の好きなヒトになる方法
私は、失恋して暗くなってた気持ちから逃げるために。
俊くんは、女避けのカモフラージュのために。
恋人が欲しかった。ただそれだけだ。
私たちの間には、やっぱり恋愛感情なんてなかったんだ。
初めからわかってたじゃん。わかってたのに。
なんで私、こんなショック受けてんの?
『よかったら、俺と付き合って下さい』
『佳菜といるとラクだし、普段友達といるときみたいに、楽しい』
『じゃあ俺も、頑張る』
俊くんと過ごした時間が、頭の中を駆け巡る。
数日間のうちの、たった数時間の放課後のデート。
それでも、私、俊くんの良いところたくさん見つけたよ。
マイペースだけど、その分しっかり考えて、ちゃんと自分の意見言ってくれるところ。
相手のことしっかり見て、そのたびに優しくできるところ。
私がオススメしたもの、拒否したりせずに毎回一緒に楽しんでくれるところ。