彼氏の好きなヒトになる方法



「え……じゃあなんで私は、あんなに認識されなかったんですかね」



私を認識してくれなかった勢は、今は呑気に別の話で盛り上がっている。


マナミは「ワザとに決まってるでしょ」と当然と言わんばかりの顔で言った。



「あんた、最近元気なかったでしょ?だから今日、髪もメイクもしてないあんたを見て、あたしは『昨日よほどショックなことがあったのね』って思ったわ。たぶんみんなもそう思ったんじゃない」

「……………」



近くで盛り上がっている集団に、ちらりと目線を向ける。


みんなして開口一番『誰!?』とか言ってきてさ。


腹立って色々言っちゃったけど、そのおかげでなんか今、ちょっとスッキリしちゃってるし。


メイクしたら、なんか元気出たし。



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