彼氏の好きなヒトになる方法
「……私が、メイクする気になるように、わざと言ってくれたってこと?」
「さあ、知らないわよ。とりあえずあんたに喧嘩ふっかけて、ストレス発散させてやろうってだけだったのかもしれないわ。メイクして調子戻ったんなら、結果オーライね」
「………ええ〜?みんな、ずるくない?」
「一応友達だもの。あんたが元気ないの、何も言わないけどみんな気づいてるのよ。何があったのか、話したくなったら言いなさい。聞いてあげるから」
……ずるいと思います、マジで。
確かにここ最近、俊くんのことでぼーっとしてることが多かったけどさ。
みんな、特に何も言ってこなかったのに。
慰め方がわかりにくすぎるわ。
でも、こんなときでも騒がしいのが私たちらしくって、結構好きだよ。
「……ありがと……」
なんかちょっと、涙が出た。
アイメイクしちゃってるので、ボロボロとは泣けないけど。
マナミがちょっと笑いながら、ティッシュを差し出してくる。ハンカチじゃないので、アイメイクの汚れとか気にせず拭えます。さすが。