彼氏の好きなヒトになる方法


「大丈夫なの?佳菜」

「……うん。まだ私の中でも整理ついてないんだけど……落ち込むだけ落ち込んだら、ちゃんと向き合うよ。今、連絡無視しちゃってるし」

「……無理しなくていいからね。あたしからサトシに言うこともできるんだから」

「うん、ありがと。でも、自分で言いたいから、大丈夫」

「……わかったわ」



マナミが柔らかく微笑む。美人さんがこういう顔をするととても胸がときめく。元気になった。


不器用ながらもみんなが励ましてくれたことだし、私も逃げてばかりじゃいられないな。


向き合わなきゃ。ちゃんと。



とりあえず昼休みになったら、無視しちゃってる俊くんからのメッセージを読もう。どんな内容でも、何か返信しよう。



そう決めて、午前の授業中は俊くんのことばかり考えていた。



やっぱり好きだなあとか。

別れるの嫌だなあとか。

でも、このまま何事もなかったかのように付き合い続けるのも辛いなあとか。

俊くん、私のこと好きになってくれないかなーとか。


……まあ無理だよなあ、とかね。




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