彼氏の好きなヒトになる方法
「なに、私が浮かれたら悪い?人間、浮かれ時は間違えちゃいけないと思うんだよね!」
「どういうことだよ。つか、悪いとは言ってねー」
再び歩きはじめると、隼も合わせてくる。
こいつはなにが言いたいんだと思っていると、不意に隼は「そいつ」と言った。
「本当にお前のこと好きなの?」
予想外の言葉に、目を見開いた。
隼はいつも通りの顔で、いや、ちょっと厳しい顔つきで前を向いている。
私たちの少し前では、他の4人が賑やかに騒ぎながら歩いている。
「………す、好きだよ……たぶん。きっと、ちょっとくらいは」
「たぶんきっとちょっとて」
「い、いいもん!今は……これからもっと好きになってもらうから」
「ふーん」
あっそ、とでも言いそうな顔して、隼が返事をする。なんだよ、そっちが聞いてきたくせに。