彼氏の好きなヒトになる方法
「俺が女だったらぜってー嫌だけどな。カモフラージュで女作るような奴」
その言葉を聞いて、驚いた。
てっきり私につっかかってきてんのかと思ってたけど、もしかして隼は俊くんを疑ってる?
「………………」
何も言えずに立ち止まると、隼はこちらを一瞥したあと、また前を向いて歩き続けた。
「イケメンはいいよなあ、女作り放題でさ」
「しゅ、俊くんはそんな奴じゃないし!」
「はいはい」
隼は前を向いたまま片手を挙げて、そのまま行ってしまった。
「………………」
彼の後ろ姿を意味もなく見送りながら、言われたことを思い返す。
『そいつ、本当にお前のこと好きなの?』
好き……だと、思ってるんだけど。
もしかしたら、違うのかな。