彼氏の好きなヒトになる方法
「えー、2人付き合ってんの?」
あくまで爽やかなスマイルで瀬戸先輩が尋ねてくる。
直球な質問に赤くなるやら青くなるやらですぐに答えられなかった私に対し、俊くんは躊躇うことなく「うん」と答えた。きゅん。
「マジ?お兄ちゃん聞いてないんだけど」
「言う必要ないでしょ」
「つっめたいなあ〜。小さい頃はもっと素直で可愛くて天使みたいだったのに」
うわ、絶対そう。俊くんの子供の頃とか間違いなく天使だ。
いつかアルバムとか見せてもらえないかなー。
現実を信じたくなくて他所へ思考を飛ばす。はよ先輩らどっか行け。私ら見ての通りデート中なんだよ!邪魔すんな!
ニコニコしながら心の中で焦りとイライラを募らせていると、ふいに瀬戸先輩の目が私を捉えた。