彼氏の好きなヒトになる方法
+ 好きなヒトと好きだったヒト
「後輩から、佳菜ちゃん結構可愛くてノリ良いって聞いてたから、いつ話しかけてくれるのかなーって思ってたんだけど。彼氏できちゃったかあ、残念だなー」
彼の言ってることが信じられなくて、呆然とする。
どこから突っ込んで良いのかわからない。でも、恐ろしくてどこにも言い返せない。
……怖くて俊くんの方が向けない。
「俊の彼女なら、尚更これからどんどん仲良くしてこーよ。大歓迎だよ?」
先輩は私と俊くんの顔を見て、満足げにフッと笑うと、「なんてね」と手を挙げた。
「邪魔してごめんね。デート楽しんで。ばいばーい」
それだけ言って、先輩は踵を返す。
周りの先輩たちは瀬戸先輩を見て、「うわ、サイテー野郎」「この状況で言うの鬼畜すぎだろ」とか口々に言いながら去っていった。
まさに言い逃げである。マジで信じられない。