彼氏の好きなヒトになる方法
街中に入ると、何人かの先輩の提案でカラオケに行くことになった。
カラオケボックスにいる間も、瀬戸先輩は私の隣から離れなかった。
だけどそれをあまり不快には感じなかった。
先輩が私を「そういう目」で見ていないことがわかるからだ。
あくまで後輩として。
いとこの彼女として。
彼があきらかに線引きしているのが私でもわかった。
「……でも、疲れた」
はあ、のドリンクバーの前でため息をつく。
ワイワイ盛り上がっているカラオケの部屋を出て1人になると、なんか疲れをどっと感じるんだよね。この感覚って不思議だ。
「大丈夫かよ」
声をかけられて横を見ると、空のコップを持った隼が私を見ていた。