彼氏の好きなヒトになる方法

「……まあ……普通。ちょっと疲れたくらい」

「ふーん。俺はもう帰りたい」



私よりずっと疲れた顔した隼は、深いため息をつきながら言った。


「あー……隼はめっちゃ気に入られてたもんね」

「興味ねー話ばっかされんだよ。すげーどうでもいいけど、一応先輩だから下手なこと言えねーし……」


キャピキャピ系美人の相手に、完全に疲れ切ってるみたいだ。


先輩相手だからって、適当にあしらったりしないのがエライ。


実はこいつは結構マジメなタイプだったりする。


お疲れと言って苦笑いしていると、ドリンクを注ぎながら隼が不意に言った。



「なあ、どっか適当なとこで抜けねえ？」

「え？」



隼は注いだばかりのコーラを飲みながら、じっと私を見た。


その目がいつもの隼とは違う、どこか真剣で少し熱を帯びた瞳をしていて、ドキッとした。