彼氏の好きなヒトになる方法
「晃と璃子は楽しそうにしてるし。俺らが抜けたところで変わんねーだろ」
「……まあ……そうだろうね」
「俺もひとりで抜けづらいしさ。抜けたくなったら連絡して。適当な理由つけてお前も連れてくから」
「あー、うん。でもたぶん大丈夫だよ。なんが先輩、思ってたより普通に話してくれるし……。そんなにキツくないから」
たぶん隼は心配してくれてるんだろう。この場に一緒についてきた理由も、なんとなくわかってきた。
私が先輩に対して困ってるって気付いて、助けられるようについてきてくれたんだ。
ここまで、何度も私の様子をちらちら見てたから。
隼は「大丈夫」という私をもう一度じっと見てから「あっそ」と言って、ふいっと目線をそらした。
「ならいいけど。まあ、何かあったら連絡しろよ」
「ありがと。……何か今日、やけに優しいけどどうしたの?」
「は?」
「なーんか最近は意味不明に突っかかってきてたのに、今日すごい優しいよね。何、情緒不安定なの?」
ニヤニヤしながら言うと、隼は顔を赤くして目を見開いた。