彼氏の好きなヒトになる方法


「晃と璃子は楽しそうにしてるし。俺らが抜けたところで変わんねーだろ」

「……まあ……そうだろうね」

「俺もひとりで抜けづらいしさ。抜けたくなったら連絡して。適当な理由つけてお前も連れてくから」

「あー、うん。でもたぶん大丈夫だよ。なんが先輩、思ってたより普通に話してくれるし……。そんなにキツくないから」


たぶん隼は心配してくれてるんだろう。この場に一緒についてきた理由も、なんとなくわかってきた。


私が先輩に対して困ってるって気付いて、助けられるようについてきてくれたんだ。


ここまで、何度も私の様子をちらちら見てたから。


隼は「大丈夫」という私をもう一度じっと見てから「あっそ」と言って、ふいっと目線をそらした。


「ならいいけど。まあ、何かあったら連絡しろよ」

「ありがと。……何か今日、やけに優しいけどどうしたの?」

「は?」

「なーんか最近は意味不明に突っかかってきてたのに、今日すごい優しいよね。何、情緒不安定なの?」


ニヤニヤしながら言うと、隼は顔を赤くして目を見開いた。




< 194 / 441 >

この作品をシェア

pagetop