彼氏の好きなヒトになる方法
+ はじめてのヤキモチ
カラオケを出て、アーケード内のゲームセンターに入った。
最初こそ、みんなでぞろぞろ動いてUFOキャッチャーとかを見てたんだけど……。
完っっ全に油断してた。
瀬戸先輩は相変わらず私のそばを離れないけど、それなりに他の先輩たちとも仲良く話しができてて。
先輩はあくまで『先輩・後輩』っていう姿勢を崩さなかったし、なんか俊くんの幼少期の話とかしてくるから。
思わず瞳を輝かせて聞いちゃったりした。これは私悪くない。絶対。
で……気づいたら。
「……あれ?てゆーか、他のみんなは?」
UFOキャッチャーに釘付けになってた視線をあげて、周りを見回した。
あれ?他の人がいない。
横を見ると、瀬戸先輩が携帯を見ながら「みんな先に出たみたいだね」となんでもないみたいに言った。