彼氏の好きなヒトになる方法
閉じた携帯をもう一度見る。
隼に送ったメッセージに既読がつかない。先輩たちの相手で忙しいのかな……。
くそう、こんなことならさっさと隼と抜けるんだった。
「……帰ります」
先輩を睨んで低い声で言うと、彼は慌てた様子で「ごめん待って待って」と引き止めてきた。
「勝手にふたりきりにしたのは悪かった。ごめんね?」
「悪いと思うなら、さっさと合流しましょうよ」
「えー……」
「えーじゃなくて。『みんなで』遊ぶならって来たのに、これじゃ意味ないです。合流しないなら帰ります」
『帰る』と言って動かない私を見て、先輩は困ったように頭をかいた。
そして、面倒そうにため息をつく。ため息つきたいのはこっちなんですけど!
「んー……佳菜ちゃんて、思ってたよりカタイんだね?もう少し軽い子だと思ってたんだけど」
失礼だな……。私はついこの前まで彼氏いない歴イコール年齢だった女子だぞ。そこまで軽くないよ。