彼氏の好きなヒトになる方法
「…………」
「…………」
俊くんは驚いた顔をして、少しの間、私を見つめていた。
やがて、その手がゆっくりと口元を覆った。
徐々に彼の頰が赤くなっていくのを、私は惚けたように見つめていた。
「………しゅん、くん、顔」
「待って。ごめん、わかってるから。言わなくていい」
自分の変化に彼自身が戸惑っているみたいだ。
必死に手の甲を頰に当てて、熱を冷まそうとする。でも彼の頰の赤みが消えない。
私は彼のその様子に、ある種の感動を覚えていた。
俊くんが照れている。
あの俊くんが。自らのヤキモチに気づいて照れている。
歴史的瞬間だ。
脳内の俊くんフォルダに記念すべき一枚が追加された。すごい。なんかもう語彙が無くなるレベルですごい。
美形が照れる破壊力すごい。