彼氏の好きなヒトになる方法



「……好き……」



俊くんの照れ顔に衝撃を受けていたら、口が勝手に動いた。


私の突然の告白にも、今の俊くんはしっかり動揺してくれる。


「い、いきなり何」

「好きって思ったから。言っただけ」

「……そ、そう……」


彼の頰の赤みがさらに濃くなる。最高すぎて卒倒しそうになった。超好き。



「俊くん、好きです。すごい好き」

「知ってるよ」


好き好き攻撃を仕掛けようと思ったら、即答で『知ってる』と返ってきて私がやられた。


ひとりで心の中で悶えていると、俊くんが狼狽えた顔のまま「ちょっと話がしたいんだけど」と言った。


「時間ある?」

「うん?うん。全然大丈夫」


私としては、約束してないのに俊くんに会えただけでハッピーだ。時間はいくらでも作る。


じゃあベンチ座って、と言われたので、言われた通りにベンチに座り直した。何故か俊くんは立ったままだったけど。


「俊くんは座らないの?」

「いい。俺はこのままで……」


未だ赤い顔の俊くんを、じっと見上げる。


それすら彼を動揺させるようで、ふいっと目線をそらされた。可愛い。好き。



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