彼氏の好きなヒトになる方法
「わりーと思うなら、なんか奢れ」
「……いーけど。なにがいいの」
「んー、なんか美味いもん」
すると、すかさず璃子が「じゃあさ!」と口を挟んだ。
「最近駅の近くに新しいショッピングモールができてさ、明後日オープンなんだよ!みんなで行こっ?」
ねっ?と、近くで私たちの会話を聞いていたマナミたちに話しかける。
「いいわよ」
「晃と学は!?」
「んー?いいよ。今週ヒマだし」
「俺も」
「じゃあ決まりだね!楽しみ〜」
明後日ショッピングモールか。
オープン当日ってすごく混んでそうだな……。
ウキウキしている璃子を横目に、ちらりと隼の方を見ると、ばっちり目が合った。
「…………」
「…………」
「……なんだよ」
そのまま無言で見つめていたら、眉間に皺を寄せた隼が怪訝そうな顔をした。
私は「いや」と言って、続けてなんでもない、と言おうとしてから、やめた。