彼氏の好きなヒトになる方法


「わりーと思うなら、なんか奢れ」

「……いーけど。なにがいいの」

「んー、なんか美味いもん」


すると、すかさず璃子が「じゃあさ!」と口を挟んだ。


「最近駅の近くに新しいショッピングモールができてさ、明後日オープンなんだよ!みんなで行こっ?」


ねっ?と、近くで私たちの会話を聞いていたマナミたちに話しかける。


「いいわよ」

「晃と学は!?」

「んー?いいよ。今週ヒマだし」

「俺も」

「じゃあ決まりだね!楽しみ〜」


明後日ショッピングモールか。


オープン当日ってすごく混んでそうだな……。


ウキウキしている璃子を横目に、ちらりと隼の方を見ると、ばっちり目が合った。


「…………」

「…………」

「……なんだよ」


そのまま無言で見つめていたら、眉間に皺を寄せた隼が怪訝そうな顔をした。


私は「いや」と言って、続けてなんでもない、と言おうとしてから、やめた。





< 229 / 441 >

この作品をシェア

pagetop