彼氏の好きなヒトになる方法
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それから日が経って、ショッピングモールに行く日がやってきた。
「うわー。人、多っ」
車だらけの道路と駐車場から入口にたどり着くまでも結構大変だったのに、ショッピングモール内はさらに人でごった返していた。
「人酔いしそおー」
璃子がげんなりした顔をしている。ショッピングモール行きたいって言ったの璃子じゃんよ。
「えー、じゃあ最初どこ行く?」
フロアは4階まであるようで、それもエリアがめちゃくちゃ広い。ここで1日過ごせそうなくらいだ。
「璃子は?行きたいとこあんじゃねーの」
辺りを見回しながら、晃が璃子に問いかけると、璃子は人ごみを見て唇を尖らせながら、「んー」と悩ましげな声を出した。
「ぶっちゃけあんま考えてなかったんだよねー。強いて言えばオープンセール見に行きたいくらい?」
「無計画かよ」
晃が呆れた様子でため息をつく。
ムッとした顔で晃を睨む璃子をなだめて、「適当に回ろう」と提案すると、素直に「うん」と返事をしてくれた。