彼氏の好きなヒトになる方法



「そういえば佳菜、三谷くんとは最近どうなの?」



人の間を縫ってぶらぶら歩いていると、マナミがそう話しかけてきた。


「どーって……別に、普通だよ?こないだまた仲直りして、私が浮かれてたのマナミも知ってるじゃん」

「まあ、そうだけど……。あれから、一緒に帰ってないみたいだから」

「んー……なんかお互い予定合わなくって。でも連絡は取り合ってるし、全然平気だよ」



今日まで俊くんとは連絡を取り合うことはあったけど、一緒に帰ったりはしなかった。


連絡って言ってもまあ、私が寝る前に『おやすみ』とか送ってるだけだけどね。


「ふーん……。なんかあんたたちって、進展したかと思ったら、そうでもなかったり、ほんとマイペースよね」

「そ、そうかなあ?こないだ俊くんがヤキモチ焼いてくれたときは、かなり驚いたし超進歩したと思ったんだけど」

「それにしたってプラトニックなお付き合いよね。どうせキスもまだなんでしょ」


マナミがいかにもつまんないという顔をして、平然とそんなことを言い放った。




< 232 / 441 >

この作品をシェア

pagetop