彼氏の好きなヒトになる方法


「視界に入った瞬間、『一橋だ!』って思っちゃった」

「いや、スゲー似てるわ」

「あっ、これしゃべる機能ついてんじゃん!このボタンかなあ」


適当にベルトあたりのボタンを押すと、いきなりフィギュアが太い声で「ハロー!」としゃべった。


「アハハハ!めっちゃ似てる!」


あまりに一橋先生に似すぎて笑いが止まらない。


もう一度ボタンを押したら、「My name is Joseph」と流暢な英語を喋った。ジョセフっていうのかこいつ。

面白がってボタンを連打していると、隼が呆れたような半笑いで「お前やっぱガキだな」と言った。


「えー、これは笑うでしょ?」

「笑うけど。はしゃぎ方子供すぎ」

「いいじゃん別に。まだ子供だしぃ」


つーんと拗ねた顔をして見せると、不意に隼が柔らかな表情で笑った。



「なんでも楽しめんのは、お前のスゲーところだけどな」



ジョセフの英語を適当に聞き流していたら、いきなりそんなことを言われて驚いた。




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