彼氏の好きなヒトになる方法


「えっ、何?褒めても何も出ないよ」

「んだよその顔。可愛くねー」

「別にアンタに可愛子ぶる必要ないし」

「お前ははじめっからそーだよな。去年から何も変わってねえ」


去年と言われると、私たちには忘れられない出会いのエピソードが出てくる。


去年の今頃。一年生だけで行われる高校最初のイベント、二人三脚リレーである。


親睦を深める目的で行われるそれによって、私と隼は知り合い、今の仲になった。


「ハァ?今の私よりいくらか可愛いっつの」

「残念ながらあのときのお前も別に可愛くねえしアホみたいに元気だったよ」


うそつけ。出会いたての頃の私はもう少し可愛げがあったよ。


二人三脚リレーのペアは基本的に男女それぞれで組むんだけど、うちのクラスは男女1人ずつ余ることになって、1組だけ男女ペアかできることになった。


そしてくじ引きの結果、余ったのが私と隼だったんだ。



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