彼氏の好きなヒトになる方法
『ドーモ』
『……どーも』
不遜な態度で挨拶してくる隼の第一印象は、『チャラいやつ』だった。
かく言う私もチャラチャラしたギャルなんだけど、この頃はまだ高校デビューしたてで、男の子みたいだった中学時代の自分が抜けきれてなかった。
『じゃあペアの名前書いていってー』
先生から配られたペアの一覧が回ってきて、私と隼の名前をそれぞれに書く。
失礼ながらまだクラス全員の名前を覚えていなかったので、彼の名前を見て眉を寄せた。
『青木……シュン?』
『ハヤト』
ほへー。これでハヤトって読むのか。『隼』って一文字だったら大体シュンって読むイメージがあったから驚いた。
『ふーん。じゃあよろしく……ハヤト』
『いきなり呼び捨てかよ』
いいじゃん、せっかくペアになったんだし。
中学時代は男友達のことを下の名前で呼ぶことが普通だったから、ついそうしてしまった。