彼氏の好きなヒトになる方法
何度もこけて文句を言い合って、夕日が校庭を橙色に染めるくらいの頃には、2人ともヘトヘトになって地面に座り込んでいた。言い合う元気もない。
と思ったら、隼が突然大声で叫んだ。
『あーー!!めんどくせえ!!』
『うわっ、何いきなり。ビビるんですけど』
これが噂に聞くキレる十代か。
いらだったようすの隼は立ち上がると、私に向かってこう言った。
『今まで色々言ってきたけど、もう考えんのめんどくせえ。いいか、俺がリズム決めてかけ声出すから、足幅はお前に合わせる。他のことは何も考えんな』
何だコイツ俺様か、とか余計な思考が頭をよぎったけど、不思議と腹は立たなかった。
ここ二週間ほどこいつの一緒に過ごしたわかったけど、こいつも私に負けず劣らず単純野郎だ。
頭で考えるより、身体で覚えるタイプ。
『……いーね。そうしよ』
初めて隼と意見が合った。