彼氏の好きなヒトになる方法


「俊くんも来てたんだね」

「連れてこられた」

「あはは」


俊くんが私たちの方へ近づいて来てくれる。


まさか会えると思わなかった。嬉しい。今日も私の彼氏はパーフェクトビューティフルだ。



「……佳菜も来てると思わなかった」



そう言いながら、俊くんの視線がちらちらと隼の方へ向いているのに気づき、ハッとした。


まずい!誤解させているかもしれない。


「あっ、えっとね、マナミとか璃子とかも一緒に来てて!えーと今は……近くにいないけど!みんなで!来てて!」


こいつとふたりきりなわけではないということを必死で説明すると、俊くんは変わらない表情で「うん」と返事をした。



「わかってる」

「ならよかった!」


そうホッとしたのも一瞬で、俊くんの目線は相変わらず隼の方へ向いていた。なんか睨んでる感じがするのは気のせいだろうか。




< 245 / 441 >

この作品をシェア

pagetop