彼氏の好きなヒトになる方法
「……間近で見るとマジで綺麗な顔してんな。女みてえ」
冷めた目で俊くんを見返していた隼が、いきなり失礼なことを言った。
「はぁ!?アンタ初対面でしょ、失礼すぎるわ!」
「マジで佳菜と付き合ってんの?釣り合わねー」
「うっさい!」
めちゃくちゃ腹が立つことを言ってケラケラ笑う隼。
俊くん、怒ってないかな。
と、心配になって見てみたけど、彼の表情は変わっていなかった。
ただ、声色だけが違っていた。
「釣り合ってるよ」
隼よりも少し背の低い俊くんは、それを感じさせないほどまっすぐ、強い瞳で隼を見上げていた。
「俺と佳菜は、釣り合ってる」
きっぱり、ハッキリ。
俊くんはそう言い切った。
隼も先ほどまで笑っていた表情を変え、剣呑な目で俊くんを見下ろした。