彼氏の好きなヒトになる方法
+ ラブ×ライク=パニック
その日の夜、俊くんにメッセージを送ってみたけど、『なんでもない』としか返ってこなかった。
それから数日経って、一週間ぶりに俊くんと放課後デートすることになった。
「こ、こんにちは」
いつもの待ち合わせ場所にいた俊くんに、恐る恐る近づいて声をかける。
俊くんは私に気づくと、つけていたイヤホンを外した。
「こんにちは」
おお、いたって普通だ。ちょっとホッとする。
「俊くん、今日バイトは?」
「ないよ」
「そっか。やったぁ」
歩き始めて駅を出て、いつもの大通りへ向かう。
なんとなくアーケード街をぶらぶらしながら、他愛のない話をした。
「…………」
会話が一区切りしてフッと沈黙が落ちたとき、ちらっと俊くんの方を盗み見る。
するとバチっと目が合って驚いた。
「………?」
最初はなんか嬉しくってヘラヘラ笑ってたんだけど、その後何度も目が合うものだから、途中からなんだか混乱してきた。