彼氏の好きなヒトになる方法

+ ラブ×ライク=パニック




その日の夜、俊くんにメッセージを送ってみたけど、『なんでもない』としか返ってこなかった。


それから数日経って、一週間ぶりに俊くんと放課後デートすることになった。



「こ、こんにちは」



いつもの待ち合わせ場所にいた俊くんに、恐る恐る近づいて声をかける。


俊くんは私に気づくと、つけていたイヤホンを外した。


「こんにちは」


おお、いたって普通だ。ちょっとホッとする。


「俊くん、今日バイトは?」

「ないよ」

「そっか。やったぁ」


歩き始めて駅を出て、いつもの大通りへ向かう。


なんとなくアーケード街をぶらぶらしながら、他愛のない話をした。


「…………」


会話が一区切りしてフッと沈黙が落ちたとき、ちらっと俊くんの方を盗み見る。


するとバチっと目が合って驚いた。


「………?」


最初はなんか嬉しくってヘラヘラ笑ってたんだけど、その後何度も目が合うものだから、途中からなんだか混乱してきた。




< 251 / 441 >

この作品をシェア

pagetop