彼氏の好きなヒトになる方法
「………?…………?」
えっなんでこんなに目合うの?
俊くんもしかしてずっとこっち見てる?そ、そんなことある?
ぐるぐる考えながら歩いていたら、いきなり何かにつんのめってこけそうになった。
とっさに俊くんが腕を掴んでくれて、こけずにすんだんだけど……。
顔をあげると、至近距離で目が合ってドキッとした。
「大丈夫?」
「だ、だいじょぶ……ありがとう」
足元を見ると、スニーカーの靴紐がほどけていた。
「ご、ごめん。靴紐結び直していい?」
一言断って俊くんから離れると、その場にしゃがみこんだ。
靴紐を結び直してパッと俊くんを見上げると、彼はどこかぼんやりとした様子で私を見ていた。
その目はなんだか……少し、切なそうに見えて。