彼氏の好きなヒトになる方法
「先輩、彼女さんとは大丈夫なんですか?」
俊くんと先輩が喋らないので、とりあえず話題を振ってみる。
この前、般若になって公園にやってきたゆるふわ美少女……沙彩さんは、先輩に平手打ちをするほど怒っていたけど、あれから大丈夫だったのかな。
先輩はコーヒーを飲みながら苦笑いをした。
「あー、沙彩?全然大丈夫。あんなの日常茶飯事だから」
「あ、あれが?」
日常茶飯事?マジ?
「一兄はアヤちゃん怒らせるの趣味だから」
呆れた顔をした俊くんが言った。
しゅ、趣味……。
あのとき先輩と沙彩さんが去っていったあとで聞いた話だけど、瀬戸先輩と沙彩さんは幼馴染で、俊くんは昔からそのふたりと遊ぶことが多かったらしい。
だから沙彩さんは俊くんのこと『俊ちゃん』、俊くんは沙彩さんのことを『アヤちゃん』って親しい感じで呼んでいるみたい。