彼氏の好きなヒトになる方法



俊くんに、楽しいって思ってほしい。

私と付き合って、幸せを感じてほしい。


そのためには、私は今の私のままじゃダメなんだ。



「合わないんじゃねえの」



黙って私の話を聞いていた隼が突然そう言った。


「………え?」

「お前と彼氏。なんか、明らかにタイプ違うじゃん、考え方とか合わないんじゃねえの」


考え方が合わない……?タイプ?


隼に言われたことの意味が、すぐにわからなかった。


俊くんと私の性格が合うとか合わないとか、意識したことなかったからだ。


確かに、私達の性格は真逆だろう。


意見や趣味が合うことは滅多にない。でもそれがむしろ新鮮で、面白いから付き合ったんだ。


基本的に頭で深く考えずに行動する私とは違って、ちゃんと考えて、しっかり相手に伝えてくれる俊くんだから、好きになったんだよ。




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