彼氏の好きなヒトになる方法



またもや眠れない夜になりそうだったけど、むしろ頭を使いすぎて疲れていたので、寝る前には思考するのをスパッとやめていた。


今日は考えるのやめよ。もう寝よ。私の頭のキャパを超えています。






土曜、日曜と休日を挟んで、月曜日。



「……あ、佳菜。おはよー」


教室に入ると、既に来ていた璃子とマナミがいつも通り声をかけてくれた。


「おはよー」


いつも通りに返して、自分の席に向かっていたら。


「おはよ」


今いちばん聞きたくない、少し掠れた男子の声が真後ろから聞こえてきた。


思わずびくりと肩が跳ねる。振り返れないでいると、その声はさらに耳元に近づいてきた。


「あれー聞こえてませんかあー?おはようございますぅー」


腹の立つ声を出すな。


そう言い返したかったけど、何故だか緊張して口が動かない。


うう、土日であんなに考えたのに。




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