彼氏の好きなヒトになる方法
またもや眠れない夜になりそうだったけど、むしろ頭を使いすぎて疲れていたので、寝る前には思考するのをスパッとやめていた。
今日は考えるのやめよ。もう寝よ。私の頭のキャパを超えています。
*
土曜、日曜と休日を挟んで、月曜日。
「……あ、佳菜。おはよー」
教室に入ると、既に来ていた璃子とマナミがいつも通り声をかけてくれた。
「おはよー」
いつも通りに返して、自分の席に向かっていたら。
「おはよ」
今いちばん聞きたくない、少し掠れた男子の声が真後ろから聞こえてきた。
思わずびくりと肩が跳ねる。振り返れないでいると、その声はさらに耳元に近づいてきた。
「あれー聞こえてませんかあー?おはようございますぅー」
腹の立つ声を出すな。
そう言い返したかったけど、何故だか緊張して口が動かない。
うう、土日であんなに考えたのに。