彼氏の好きなヒトになる方法


「……はあ……」


なにはともあれ、今私は傷ついている。普通に泣きそう。


たかが一年の恋、されど一年の恋だ。


高校二年になったこの春まで、全然行動してこなかった自分も悪いんだけどさ。


あーあ。あーあ。


アタックするのを尻込みしてるうちに、持ってかれた。


あーあ、私の馬鹿。


こんな馬鹿な女のことを、心の優しい誰かが慰めてくれないだろうか。できればイケメンの。できれば高身長の。



「……なんて」


こんなゼイタクなことばかり考えて、実際に行動しないからこうなるんだ。


だんだん純粋な悲しみと後悔が押し寄せてきて、青空を見上げる視界がじわりと歪んだ。


「うぅ」


むかつく。


先輩もその彼女も、今までの情けない自分にも腹が立つ。



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