彼氏の好きなヒトになる方法
「アンタの彼女、キスもまだらしいな?うっかり初めてもらうとこだったわ」
「な…………」
なんてこと言いやがる!?
一気に赤くなった私の顔は、すぐに青くなった。
「ふざっけんなバカ隼!!」
隼はニヤッとした笑みを一瞬だけ見せると、背中を見せて片手をひらひらさせた。いやバイバイじゃねえし!
とんでもない爆弾を軽々しく置いて、隼は今度こそ校舎へ戻っていった。
「………………」
恐ろしすぎて俊くんの方向けないんだけど。
ヤバイ。マズイ。
最後の隼の発言は、色々と含むものがありすぎる。
私の身は潔白だけど、これから仲直りしようという私たちには、あまりにマズすぎる暴露だった。
「………あのさ。佳菜」
「ハ、ハイッ!」
呼ばれて、背筋がぴんと伸びた。恐る恐る、俊くんの方を向く。