彼氏の好きなヒトになる方法
『いきなり電話してごめん。今大丈夫?』
「だ、大丈夫……」
なんか声が甘い……。
私の彼氏、声まで格好良くて超どうしよう。
「しゅ、俊くんはいま、おうち?」
『うん。さっき風呂あがったところ』
「そっか……」
『眠い?』
「ねっ、眠くない!いつも寝るの0時すぎくらいだから……まだ大丈夫」
『よかった』
……わあ、なんかヤバイ。わけもなくドキドキする。
夜に電話しちゃうのって、付き合ってるっぽーい。
なんだか落ち着かなくて、意味もなく部屋の中を歩き回ってしまう。
少しの間のあと、俊くんが『…….あのさ』と言って話を切り出した。
『この前のこと、なんだけど』
ぴた、と足が止まる。
「……うん」
さっきまでとは違う、緊張と不安の間くらいのドキドキが私を襲った。