彼氏の好きなヒトになる方法


『あのとき、なんか俺、すごい腹立ってて……色々言ってゴメン』

「ううん……私もごめんなさい」


俊くんも私もすんなり謝ることができたからか、ちょっとホッとした。


電話の向こうでも、安堵したように息をついたのが聞こえてきた。


『あれから俺も考えたんだけど、別に男友達と仲良くするなってわけじゃなくて……。そんなの、佳菜じゃない気がするし』

「……うん」

『あのときあんなに腹が立ったのは、たぶんあの隼って奴だったからだと思う。なんかあいつ、俺のこと敵視してたっていうか……』

「……そのこと、なんだけど」


私はぐっと手のひらを握りしめた。


ここ、重要だ。ちゃんと説明しなきゃいけないとこだ。


「その……隼に関しては、私が全面的に間違ってた。私、全然何にも考えてなかったんだよね。そういう可能性とか……あるわけないって思ってた」

『……もしかして、告られた?』


ヒイ、するどい。

……じゃなくてたぶん、私が鈍感なだけだ!


なんだか自分のアホさが身に染みてわかってきて、「……ハイ……そうです」と答えざるを得なかった。




< 324 / 441 >

この作品をシェア

pagetop