彼氏の好きなヒトになる方法
「そのことマナミとか瀬戸先輩も気づいてたみたいで……私、ちょっと頭足りてなかったなって思ったの。俊くんが嫌な気持ちになるのも当然だよね」
『……そっか』
俊くんは、少しの間黙った。
そのままの勢いでキス未遂のこととかも弁解したかったけど、いっぺんに言っちゃうと俊くんの気持ちをちゃんと聞けないかもしれない。
俊くんがいま、色々考えてくれてるんなら、待たなきゃ。
好きなひとの気持ち、ちゃんと耳を傾けて聞かなきゃ。
『……あの。上手く言えないんだけど』
「うん」
『別に、あいつと仲良くするなってわけじゃなくて……もちろん、他の男も。距離感とか気にして過ごすのしんどいと思うから、佳菜にはこれまで通り色んな人と仲良くして欲しい』
「……うん。私もね、考えたんだ。絶対キツいよなーって……。俊くんと付き合うことまでつらくなっちゃうかもしれない」
『……でも、佳菜はスキが多いし鈍感だから、その辺りはちゃんと気をつけてほしい。あいつが最後に言ってたアレ、何?キスされそうだったの?』
私から言って弁解しようと思ってたら、ちょっとトゲのある口調で先に言われてしまった。う、うーん。認めたくないけど、そういうことなんですよね。